非モテを吊るし上げてきた

会社のレクリエーションでボーリングをしてきました。その後は飲み会というお決まりマンネリコースに。私は帰ってウィザードリィをしたかったのですが、「群」の無言の圧力に屈服し参加を余儀なくされました。くそっ!もっと強くなりたい!
そしていつしか話題は同僚Bの非モテ話に発展しました。
或る中堅社員「お前(同僚B)は女にモテたくないのか?もっと積極的になって合コンやらに参加しなければダメだ!正直やりたいんだろ?」
同僚B「いいんです私は…そういうのはもういいんです…」
という同僚Bの恋愛資本主義からの脱却ともとれる発言が、まわりの人達の神経を逆撫でしました。
「本当にそれでいいと思っているの?五年後に後悔するよ?」
「そんなことを言っているとアキバ系と同じに見られるぞ!人形の着せ替えとかして萌えーとか言ってんの、おえー」
「40過ぎても独身でいいのか?あんな奴ら、人として終わってるよ」
「そんなだからモテないんだよ」
などと罵詈讒謗をグロスフスMG42機関銃の如く浴びせ続けたのです。私も聞いていて耳が痛かったのですが、素知らぬ振りをして芋焼酎を飲んでおりました。可哀想だけれど、同僚Bがいなかったら私がMG42の餌食にされていました。
「悲しいけど、これ、戦争なのよね」
私は誰にも聞こえないボリュームでそう呟いたあと、芋焼酎を飲み干して店員におかわりを頼みました。同僚Bを見ると、MG42による傷がよっぽど深いのかぐったりと項垂れ、「いいんだ…俺はもういいんだ…」と呟いていました。
帰る際に「今日のことは絶対に忘れない」と同僚Bが言っていたのを忘れられません。