時々車窓を眺めて

天気が良かったのでちょっと遠出。大変重い荷物と、ちょっとの期待と、休日の始まりの解放感と、あれやこれや抱えて。登山電車が傾斜をゆっくり登るのを、小説を読みながら、時々車窓を眺めて。小川のきらめきや、野焼きの煙、鷲の滑空が流れ、何だかいいなと思った。望んでいた休日とはこんなことだったのかも、なんて思ったり。
野営場で愛知から単車で来た人と知り合う。焚き火を囲んで小一時間程話す。相方が骨折して一緒に来られなかったこと、高校受験を控えた娘がいること、仕事のことなど。お互い名乗りもせず、詮索もせず、問わず語りで。薄っぺらな関係かもしれないが、案外、私にはこんな関係が合っているのかもしれない。余計な力を入れずに人と話せるのだから。
翌朝、寄り道をしながらぶらぶら帰るという愛知さんのお見送り。天気は曇り時々晴れ。風は多少強く、気温は若干低い。朝食を食べ、後片付けをし、一息入れて帰り支度をする。
大変重い荷物と、ちょっとの心残りと、休日の終わりの閉塞感と、あれやこれや抱えて。登山電車が傾斜をゆっくり下るのを、小説を読みながら、時々車窓を眺めて。