夏季休暇

初日


蚊の猛襲に遭いながらテントを張る。薪を集め、買い出しに行くと日が暮れていた。気温が下がると蚊の襲撃は止んだ。焚き火を眺めながら安ワインを飲んで一息。携帯電話の電源はとうに切っている。休暇だから。

二日目

テントをたたむ。次の野営地を目指して歩いていると車が停まり「兄ちゃん、大変だな。どこまで行くんだい。乗っていくかい」との声。有難く乗せてもらう。野営地前で下ろしてもらう。受付を済ませテントを張る。それから温泉に行き、後は静かに飲んでいた。

三日目

街へ。酒と食材を買い、それからコインランドリーに。昨夕、温泉で一緒になった人がいて少し話す。早期に退職し、あちこち旅をしていると言う。野営地に戻ると雨。テント内で水割りを飲みながら小説を読む。

四日目

終日雨。炊事場で知り合った他のキャンパーの焚き火にお邪魔する。タープ下で南瓜の丸焼きやウィスキーをごちそうになる。焚き火を眺めると落ち着くのは何故だろう。

五日目


受付のお姉さんからカラフトマスを貰い、ソテーにする。これは飲まずにはいられない。ついつい飲んでしまう。美味しすぎるマスが悪い。道の駅へ行き海鮮を食べる。ホタテは58円だ。安くて旨かった。

六日目


キタキツネが現れてルールールー。
山に柴刈りへ、夜の焚き火のため薪を集める。乾いた薪が集まったのは良いが使い切れるだろうかと不安になる。また、他のキャンパーの焚き火にお邪魔してウィスキーをごちそうになる。それから持参した干物を焼いてもらう。その間、何を話したかは覚えていない。

七日目

帰る。都会の店の多さに驚き、人の多さに辟易する。体からは硫黄と灰の香りがする。