塩サウナ体験記

塩サウナをご存知だろうか?私は知らなかった。体中に塩を塗りたくり、サウナに入ることなのだそうだ。それで?それがなんだと言うのだ?そう思ったのだが入ってみてコペルニクス的転回を得たのでここに記す。それは同僚と朝まで酒を飲み、折角だからと日帰り温泉に行った際に塩サウナを見つけ、ものは試しと入ったのが始まり。
サウナは四畳程の空間で、真ん中には塩の入った壷が置かれてあった。先に入っていた人に習い、むんずと塩を掴み体に塗りたくる。するとどうだろう…
「まだまだだ…そんなんじゃ足りねえよ!俺を見てみな!これくらい塗らねえと…」
と、隣に居た塩だらけの親父に注意されてしまった。……戦国時代、敵将を獲った際は、腐敗防止のためその首を塩漬けにしたそうだ。その時の敵将の無念がこの親父に宿り、こんな塩だらけの奇行をさせているのか?そんなことが頭をよぎった。取り憑かれては敵わないのでさらに塩を体に塗りたくる。
「これじゃあまるで新巻鮭だな!」
塩親父は満足した様子でそう言った。
サウナから出てシャワーで塩を流す。するとどうだろう、この肌のすべすべ感!まるで絹のようだ。今すぐにでもベッドインできるなと思った。
「あーん、どうして日田の肌はこんなにすべすべなのー?」
「もちろん、お前を抱いてやるためさ…」
…というような塩梅に。今後は、ガールを抱いてやる前に塩サウナに入らないとな。同僚とそんなことを話しながら湯上がりのビールを飲んだ。