仮面舞踏会

いつもより早めに出勤すると童顔巨乳で評判のガールが先にいて、何やら作業をしておりました。私の出勤したのに気づくと、こちらへやってくるではありませんか。おっぱいなんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ。普段はそう言う私ですが、発射台に設置せられた2機のロケットはなかなかどうして。月まで飛んでいってしまいそうな迫力です。私目掛けてそのおっぱいロケットを発射してくれないか?フライング・ボディプレスも悪くないな。と言おうか言うまいか悩んでいると「はい」と包みを渡されました。
チョコ、か。君もやっと気づいてくれたんだね。僕は君をひと目見た時から気づいていたよ。君が気づいてくれるのを待っていたんだ。そう、君と僕とはひかれ星。この恋は星の並びで決まっていたのさ。引力が僕らを引き合わせたんだ。今夜はチョコレートより甘い夜にしよう。と言い終わる前にガールが動き、手に持った紙袋から別の包みを取り出すと、並んでいる机上に置き始めたではありませんか。え?と思った刹那「ちょっと、突っ立ってないで手伝いなさいよ」とガールから言われ男性社員全員の机上にチョコを置く手伝いをさせられました。つまり去年と同じというわけです。
あたし、どうして朝っぱらから手伝わされているんだろう?と顔を曇らせるところでしたが、男子たるもの常にポーカーフェイスでいなければなりません。外を出歩く都度仮面を被らなければなりません。まったく、社会ってやつは仮面舞踏会みたいなところです。泣く泣く手伝うより他ありません。ところで遂にそのひとつ以外にチョコをもらうことなく帰ってきました。これが飲まずにいられましょうか。哀しくて今夜も枕を濡らしてしまいます。
Tonight ya ya …… tear