シーソー

新入りがゴミ分別のため、ペットボトルのふた枠をカッターで切ろうとしたところ、勢い余ってペットボトルを押さえていた手まで切ってしまいました。新入りは「いてえよー!」と叫び、傷口からは鮮血が吹き出し、隣の席の人が慌てて止血します。新入りが可憐なガールだったなら私も止血作業に加わり、おまえってば本当におっちょこちょいなのな。放っておくと危なっかしいから、これからはずっと俺の側にいろよな?とか口説き落として電撃入籍するところですが、残念ながらボーイなので遠くから見守っていました。止血作業は難航しています。このまま血が止まらず彼が殉職してしまったなら、やはり二階級特進になるのだろうか?止血班から病院へ連れて行けとの提案あり。「日田君、彼に付き添いなさい」と名指しされました。何故私が?私だって暇じゃない。仕事を抱えている。彼だって子供じゃない。一人で病院くらい行ける。と反論するも「そういえば」と止血班の一人が口を開きました。「あそこの病院は綺麗な女医が多かったな。看護婦も若くてピチピチしたのばかりだったっけな」と独り言のように呟きます。でもまあ、一人で行くのは心細いだろうし。仕方無い。緊急事態だ。私が付き添います。と申し出る私です。困った時はお互い様だって言いますものね。それから「いてえよー!」とハート様のように泣き叫ぶ新入りにベホイミを唱えつつ、病院まで付き添いました。御陰で仕事はちっとも片付きません。ヤレヤレだぜ。