合宿の思い出

雪が降っていたので今日もひきこもっていました。仕方ありません。雪ですもの。雪と言えば免許合宿のことを思い出します。当時ニートでひきこもりだった私は毎日部屋でゲームをしていたのですが、親から「免許くらい取っておきなさい」と言われたのでまあ取ってやるかくらいの気持ちで山奥の教習所へ行きました。
初日から教習です。私はマリオカートで磨いたドライビングテクニックを見せつけてやろうと意気揚々車に乗り込んだのですが、運転席を見るとコントローラが違うではありませんか。これでは私のドライビングテクニックは発揮できません。また、私に付いた教官は意地悪なサディストで、エンストする度に「馬鹿野郎!」とか「やめちまえ!」などと怒鳴るのですね。そんなこと言ったって仕方無いじゃない?運転するの初めてなんだし…。誰だって人生で100回くらいエンストさせるわよ。それともなに?あたしのことが好きだから意地悪言うの?と思っていました。
ある日、地元の女子校生と一緒に路上に出ることになりました。女子校生は私と同じく運転が下手で何度もエンストします。でもサディストの教官はちっとも怒鳴りません。それどころか「まあエンストくらい誰でも起こすわな」と大らかではありませんか。私の時と全然違う!何さ、デレデレ鼻の下なんか伸ばしちゃって。あんな小娘なんかのどこがいいわけ?あたしだって脱いだらすごいんだからね?とハンケチを噛み噛み女子校生に嫉妬しました。
そんな教習も最終日になり、教官を乗せて運転するのも最後になりました。私のギアチェンジも様になり、もうエンストなんか起こしません。教習が終了し車を停めたところで教官が話し始めました。「まあ、俺もだいぶ厳しいこと言ってきたけど、全部おまえのことを想うからこそ厳しくしてしまったんだ。悪かった。」との言葉に強い感銘を受けた私は「きょ、教官…」と目に涙を溜めて教官の目を見ます。見つめ合う二人。その後二人が何をしたかは、私と教官だけの秘密。ってどうして紅の豚の最後みたいな締めになりますか?