モテ男講座

仕事が片付いたので打ち上がりをしてきました。「打ち上がり」というのは「打ち上げ」の最上級なんだそうです。居酒屋に着くと私の隣の席は髭のイケメンでした。ここからイケメンによるモテ男講座が始まります。
「彼女いないの?なんで?作らなきゃ駄目だよ。」
「出会いが無いか。確かに、由々しき問題だよね。」
「俺の場合は、彼女がショップの店員さんだったんだよ。」
「気に入っちゃってね。足しげく通ったんだ。」
「とは言ってもあまり頻繁に行くとストーカーになっちゃうからね。」
「間隔をおいて通ったんだよ。」
「それで勤務時間なんかをそれとなく調べるんだ。」
「そのうち自然と会話するようになるから。」
「頃合いを見計って、閉店間際に食事に誘うんだよ。」
「飲みじゃなくて食事だからね。飲みだと警戒しちゃうから。」
「行きたいお店があるんだけど、男ひとりじゃちょっと行きにくくて。とか言ってね。」
「誘ってしまえばこっちのもだよ。番号聞いて、次回のデートの約束をするだけ。簡単でしょ?」
簡単…ですか?イケメンにとっては簡単なのでしょうけど、私のような非モテにはむつかしいです。食事に誘った時点で警察にストーカーだと通報されかねません。そうでなくてもガールを誘おうとすると「じゃあみんなで行こう」とか「忙しいから無理」とか「あんたなんかと食事したら飯がまずくなる」とか「鏡見てから言ってくれる?」とかそもそも返事すらなかったりするのですよ。うーん、畜生畜生!
などと嫉妬の炎に身を焦していたところ「それでね、女の子はこうやって触ってあげると悦ぶから。」と、イケメンが触れるか触れないかの加減で私の太ももを撫でたのですね。はわわわ!ら、らめえ!そんなにされたらあたし、あんたのこと好きになっちゃうよ?などと思いました。思いません。