ぞっとした話

よく怖い話の書き出しに「これは本当にあった話です」というのが見られるが、あれは止めて頂きたい。真偽はともかく、こちらは面白い話が聞きたいのだ。「これは本当にあった話です」とやられたところで、嘘の上塗りかと興醒めしてしまう。
ところでこれから話すことは私の作り話だ。真っ赤な嘘である。
友人が入院した。鬱病である。以前から容体は芳しくなく、仕事を休みがちであった。その友人から電話があり、とても元気そうであった。だいぶ回復したとのことで、退院も間もなくだろうとの由。そいつは良かったと、その旨を仲間内に連絡した。ところ、全く回復していなかったことが分かった。
どうやら操転した際に、仲間たちに片っ端から電話をかけまくっているらしく、仲間内でちょっとした物議を醸しだしていた模様。「自殺が多いのも操転した時だから」との全く笑えないコメントも仲間から頂けた。極めつけはその仲間に、私が将来結婚した時のためにとご祝儀を預けていたとのこと。私が結婚する頃には友人は生きていないだろうからと。時間が止まりました、それを聞いた時は。大馬鹿め。
そんなことがあり、入院中の友人とほぼ毎日電話で話すのだけど、今月は電話代が2万円を超す勢いなので、友人には早く退院してもらいたい。