平湯温泉〜上高地の思い出

エアコンが壊れ、冷風が流れてこなくなってからしばらく経ちます。当初こそ「まだ涼しいから平気だって。ほら、ベッドにおいで…」などと、幸子二号とホットな夜を過ごしていたのですが、それももう駄目かもしれません。暑さで私はぐったりと横たわり、幸子二号は空気が抜けたように萎んでいます。「嗚呼、またあすこへ行きたいものだな…」私は上高地へ行った時を思い出します。
梅雨の終りの、まだ肌寒いうちに温泉にでも…。私は思い立ち、高速バスに乗って岐阜県平湯温泉へ向かいました。「梅雨の最中の、雨がしとしと降る露天風呂でだね、冷えた身体を温めてね、部屋に戻ると酒肴の準備が出来ているわけだ。庭の紫陽花が雨に濡れるのを見ながら冷や酒を嘗める。隣には行きずりのいい女がいてだね『今宵は飲み明かしましょうね。うふふ…』などと艶っぽく言われ、差しつ差されつ夜は深まって行く…」なんてことを妄想しつつバスに揺られていたのですが、そんなイベントは一切起きずにひとり冷や酒を嘗めました。
翌日は上高地へ。気温摂氏15度と大変寒かったのですが、それにも勝る景色がなんとも言えず良かったのです。また行きたいな。