東京湾景を読んだ

会社の人から薦められたので借りました。その人は他の会社の人たちにもこの本貸していたのですが、借りた人達は口を揃えてイイワ、イイワなどと言っていたのですね。ところがどうだ、読んでみたら全く理解できません。ただセックスしまくっているだけじゃねえか。こんな小説のどこがいいんだ、と思いました。
始まりは出会い系ですよ。出会い系。ちっ!そこで、
「あ、どうもお初にお目にかかります。」
「あ、こちらこそ初めまして。」
なんてやりとりをするのですね。くそっ!そうじゃないだろ?実際は、
「あ、どうもお初にお目にかかります。」
「消えろ、ブサイク。」
となったり、待ち合せ場所に行っても相手が現れず、おかしいな?直前までメールしていたのに、と帰ってからメールするも以後一切返信がこなかったりするだろうに。
などと書いていて気づいたのですが、つまりこの小説に書かれている色恋が別次元の出来事なので私には理解できなかったのではなかったか。3次元の世界に暮らす人には9次元の世界など想像もつかないように、私には色恋など想像もつかないのです。私はひどく哀しい気持ちになり、解説を読みもせず小説を閉じ、その気持ちを紛らわすかのように酒を飲んで寝ました。結局、どんな色恋小説を読んでもこんな哀しい気持ちしか残らないのですね。