踏まれるならハイヒール

どうしてパンプスを履いた女性に足を踏まれた時よりも、ハイヒールで踏まれた時の方が痛いのだろう?
私が中学生の時に、科学の教科書—圧力の章に載っていた文章の一部です。圧力(N/m2)は、力を受ける面積(m2)が小さければ小さい程大きくなります。パンプスとハイヒールの文章はそれを身近な事例から考えさせようとしていたのでしょう。しかしそれだけだろうか。何かひっかかるな。と当時の私は思っておりました。
今思うに、筆者はフォーマルな文章に己の性癖を滲ませることによって快楽を得るタイプの人間で、「踏まれるならハイヒールだな、ムフフ」などと常日頃から夢想していたのではないか。そうでなければ教科書に「ハイヒールで踏まれたら痛いけど気持ちイイ!」なんて事例を載せるわけがない。と私は今更ながらに邪推するのですが、真相は闇の中です。