YARUSE NAKIOのBEAT

また会社の若いシトたちと飲んできました。私は仕事が終わらなくて泣きながら残業してからの参加です。「仕事も彼女もできない男」と会社では評判です。
そんで居酒屋に着くと若いシトたちはだいぶん酔っているようで、大声で話しては笑い合っています。私は帰りたい気持ちを堪えて席のはしっこに座ります。そんで注文しようとしたところ、既にラストオーダー後で生ビールを頼むことができなかったのです。頭の中で「YARUSE NAKIOのBEAT」が流れます。見兼ねた同僚Aが白桃サワーなるものをくれたのですが、ピーチネクターに焼酎を混ぜたような味でぎゃふり。泣きながら飲むしかありません。えーん。
そんで、隣に座っていた眼鏡のシトから会社の或るおっさんの話を聞かされました。眼鏡はおっさんがさっぱり仕事ができなく干されているということを熱く語るのです。
「でもあんな人でも結婚しているんだよ。だからhitasanも結婚できるって!大丈夫!」
「YARUSE NAKIOのBEAT」が流れます。
そんで一次会で抜けて部屋でひとり二次会です。私はアサヒスーパードライを飲みながら或る薪ストーブ職人のことを思い出していました。その職人は山奥にひとりで暮らし、黙々と個性的な薪ストーブを作ります。その芸術とも言える薪ストーブには高値がつき、注文が殺到します。がしかし本人は贅沢に暮らすこと無く、質素に悠々自適に暮らしているのだそうです。
そんなシトに私はなりたい。私はビールの気泡を眺めながら強く思いました。