ホットサンド日記

「あなたには何かが欠けているわ…」昔抱いた女にこう言われたことがある。大体、誰だってどこか欠けた部分があるのではないか?当時は言い訳にそう思ったものだ。今は思わない。あるいは俺に欠けているのはホットサンドだったのではないか?今ならあの女も俺のところに戻ってくるような気がする。だがしかし、逃げた小鳥は戻らない。
ホットサンドを食べたいがため、それを作るための調理道具を買ってしまった。当初こそ上手く作られなかったものの、ここ数日でコツを掴んだようだ。つまりは見た目を気にせずこんがり焼くことと、調味料を揃えることだった。今日なぞはソーセージ、カレーキャベツ、とろけるチーズ、マスタードで作ったところ、外はカリカリ、中のチーズはとろとろ、ソーセージは噛めば肉汁が溢れ出す、ほっぺたが落ちる旨さだった。喫茶店を始めようかと思った程だ。
当面はおいしいホットサンドを模索するだろうけど、夏期は料理自体していなかったから、今はそれも楽しい。熱々のホットサンドとチンカチンカのビール、休日朝の楽しみができた。