ナメクジサラダ

確か小学五年生の時でした。調理実習でサラダを作ることになったのです。小学五年生ですから簡単な献立を、ということでサラダだったのでしょうね。それから、今朝とれたばかりの新鮮な野菜です!と担任が豪語するレタスやにんじんを切り刻み、ボウルに盛ったところで手作りのドレッシングをかけて試食したのです。
うんうん、うまいうまい。にこにこしながらレタスをかじる私たちでしたが、次のレタス一枚をボウルから取ったところで皆がフリーズしました。レタスの葉を取ったところにナメクジが現れたのです。つまり私たちは知らず知らずのうちに「うまいうまい」とナメクジエキス配合のサラダを食べていたわけなのですね。絶句。それから再起動に成功した私たちは「洗えば食べられる!」との結論に至りまして、それらを洗い直してドレッシングをかけておいしく頂いたのでありました。
ナメクジがついている野菜はきっと農薬も少なくて安全なのでしょうけど、よく洗って食べないとダメですね、というのがこのお話の教訓です。ナメクジを見る都度この記憶が甦ります。あとレタスに張り付いていたナメクジを誰がどのように処理したかは覚えていません。忘れたい過去です。忘れたい過去ばかりです。